2.精神科医療現場に労働組合を作ろう

 過去、精神科病院は「患者を入院させておけば儲かる」と揶揄されていました。経営者には、精神科病院を医療施設というより隔離収容施設として運営していたものも多くおり、その結果経営者の懐は豊かになりましたが、労働者は低賃金や劣悪な労働条件下で働かされていました。

 現在では、精神医療の流れが入院から地域に転換しています。また、国の医療費抑制政策等により、病院運営に厳しい波が押し寄せてきています。国の政策の流れに乗れなければ、病院倒産も珍しくない状況です。そうなると経営者は経営の安定、存続のため、賃金や労働条件等、労働者への締め付けを厳しくしてきています。医療に従事する労働者にとって、医療の質の向上を目指そうと悪戦苦闘しているにもかかわらず、自分たちの仕事や生活が守られない状況にあって、安心して働くことが出来ません。労働者を取り巻く環境は以前と比べて好転しているとはいえません。

 労働組合がなければ、辛抱するか、辞めるしか手はないのです。

 一概には言えませんが、閉ざされた病院ほど労働者の待遇が悪いと言われています。労働組合の存在が、病院を開かれたものにし、職場を明るくし、労働条件を良くし、働きやすくし、患者さんの待遇もよくしていくことができるのです。閉ざされた病院や施設で労働組合をつくるには勇気も必要ですが、全国精労協は組合づくりのお手伝いをします。あなたも、労働組合をつくってみませんか?

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